あいつの第一印象は最悪そのものだった。

「いやだ、きたないからさわらないで」

俺の手を振り払ってミン・スヒョクがそう言った。

生まれて初めて受ける軽蔑の視線に傷ついた幼い俺は二日間部屋に閉じこもって苦しんだ。スヒョクとはあそびたくないよ。あいつ俺のこときらいなんだ。会長の息子と仲良くできない俺を見て両親はどれほど焦っただろうか。

無垢だった俺の性格がこんなに悪くなったことにはミン・スヒョクの功績が九割を占めている。

海に遊びに行けば必ず俺が精を出して築いた砂の城を崩し、一緒にいたずらした時だって自分だけ素早く逃げて俺だけ怒られるようにしたのはいつもミン・スヒョクだった。

しかも顔も勉強も運動も全部優れているミン・スヒョクはどんどん俺に劣等感を呼び起こした。だから決めた。小中高すべてミン・スヒョクと一緒だったけど、これからでも彼から放れてみようと。