浮気する婚約者に利用されて。
被害者である娘をかばうべき家族からは、それどころかお前は不貞の結果だと冷たくされて。
政治的な理由で殺されそうまでなる。

うんざりな人生だった。

だから自らこの苦痛を終わらせようとしたのに、奇跡的に過去に回帰するなんて。
私はこれから復讐のために生きようと決心した。

復讐をするために自分を磨き、過去のミスを一つ一つ片付けて……。
それで、まずは未来に私を苦しめるはずの婚約者と別れた。

「オレが悪かった。お前がここまで苦しんでたなんて……」

なのに、お前に魅力がないから浮気したと言っていた男がいまさら謝るらしい。

「気が変わったぞ。あんたに興味がわいた」
「……」
「どうやら俺はこの年で初恋をしてしまったようだが、可哀そうだからあんたがこの気持ちを受け取ってくれたらどうだ？」

それに、元婚約者と別れるために一時的に同盟したに過ぎないはずの公爵が執着し始めた。
私は徹底的に復讐をしているだけなのに。
周りがおかしくなってしまった。