「もう悪い感情は残っていないわ。どうかお元気で、二度と会わないようにしましょう。」

憑依の始まりは、普通に家族が自分たちの行動を後悔するようになる作品だった。
そのめちゃくちゃな家族とは縁を切ったのだから、これからは平和な無職生活が待っていると思っていた。

しかし……
なぜか、憑依する前まではこの体に何の興味も持たなかった男たちが、私に絡んでくるようになった。

「好きなものができました。」
「何かしら？」
「ローラ様です。」

ぶん殴られているのがかわいそうで連れてきた奴隷に告白された。

「ローラ様はどうしてご自分を無碍になさるのですか？これからはわたくしめに面倒を見させていただきましょう。」

異種族混血である執事の様子もおかしくなり、

「ローラ、僕と結婚してくれませんか？」

脅迫と威嚇ばかりしていた大公がプロポーズしてきた。

「はあ。この甘い匂い…、俺をこんなに狂わせたのはお前が初めてなんだ。」

狂人の狂気も強化されたようだ。

……全部私の前から消え去ってしまえばいいのに。