エスパーの分離不安はどう解決すればいいですか

作品概要

作者:ヒビエ
タイトル:エスパーの分離不安はどう解決すればいいですか
ジャンル:BL

作品紹介

いつ、どこで開かれるか分からない亀裂とその中から出てくる怪物たちがいる世界。S級エスパーのB級ガイドとして問題なく平凡な異能力者生活を送っていたイ・オン。
ある日、寝て起きたら俺のエスパーの調子がおかしい。長く話し合った結果出た結論は、自分が並行世界にわたってきたという事。
問題は、ここでのビアンと自分の関係が…あまり良好ではなさそうだという事だ。それだけでなく、7年目98%という高いマッチング率を維持していた元の世界とは違い、ここでのビアンと自分はたかが76%という低いマッチング率で、粘膜ガイディングまでしている始末。

いつも意気揚々としていて狐のようだった俺のエスパーはどこかへ消えて、同い年だということも怪しい泣き虫で情緒不安定なひっつき虫と共に過ごす生活がそうやって始まった。
顔だけ一緒で共通点などないビアンの言葉には理解できない部分が多すぎて、つらい。それでも、

「好きだよ」
「疲れた?すまん、俺が悪かった」
「愛してるよ、オン」

このエスパー。7年間見てきたあのハ・ビアンとは違って、ちょっと可愛い。だから目が行って、もっと幸せにしてやりたい。

「記憶がない?」
「そう、思い出せないんだよ。俺の最後の記憶は、休みで家にいて、ベッドに横になったのが最後なんだ」
「……また何を企んでるんだ」

企む?しばらく待ってあげると、開かれた口から理解できない言葉が出てきた。

俺が何を企むっていうんだ?そんなの俺たちの間であり得ることだったのか?

「今度は記憶喪失のふりか?俺がそれを信じるとでも?こんな風に記憶を失ったふり、何ともないようなふりして安心させて逃げるつもりか?むかつくからほどほどにしてくれ!」

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