「彼と結婚します」

一時はトップスター、しかし今やよからぬ噂が絶えないフレヤ・ナイト。
誰も実態を知らずぶっさいくだという噂だけ広がっている男との一夜のスキャンダルにより望まぬ妊娠までしてしまう。

出演予定だった映画の賠償金問題と彼女を苦しめるマイケル・フェルトンから解放されるため、フレヤは半分強制的に秘密ばくちゲーム、《バッカスプロジェクト》の駒になることになり、男に契約結婚を要求する。

しかし、その男の正体はフレヤがひどい片思いをした初恋の相手、イサエルだった。

「最初からお前のことが嫌いだった。お前の視線、関心、全部うんざりで気持ち悪かったんだ」
「おめでとう、そんな女と結婚する羽目になったわね」

フレヤのせいで婚約者と別れた彼は子供は受け入れても結婚はできないと言う。

「じゃあ、いっそ死ぬわよ。そうなったらあなたは二人まとめて死なせることになるんでしょうね」

プライバシーの保証と秘密厳守、そして生まれる子の親権と面接交渉権を放棄する条件で始まった、現在進行中である片思いの相手との一年間の契約結婚。
不純な意図と嘘で始まって関係でも、彼女の恋は潔白であった。